病気について

アレルギー性鼻炎について

アレルギー性鼻炎は一般に通年性アレルギーと季節性アレルギーにわかれ、通年性アレルギーの代表はハウスダスト、ダニ、季節性アレルギーの代表はスギなど主に花粉症です。
アレルギーの原因はほかにもたくさんあり、通年性ではイヌやネコなどのペット系、カンジダ、アスペルギルスなどのカビ系などがあり、季節性では春のスギ、ヒノキ、初夏のカモガヤなどイネ科、 秋のヨモギ、ブタクサなどキク科がよく知られています。
また食物アレルギーも有名でタマゴ、ミルク、そば、などのほか意外なところではリンゴやメロン、モモなどといった果実アレルギーもあるのです。

診察&検査とは

敵を知るにはまず味方からとの格言にもあるように自分の中の原因を探り、治療に臨むことが大切だと考えられます。
これはターゲットを決め採血を行うことで、その原因、レベルを簡単に確認することが可能です。 原因を知れば、いつ症状が出現するかを予測することが可能となり、天気予報の如く,いつ何が起こるか予測出来るのです。

またそれにより症状が出現する前に薬を飲み始め ピークに備えるという予防投薬も可能になります。 (天気予報で雨マークならあらかじめ傘を持っていきますよね。要はそれと同じであらかじめわかっていることなら濡れる前に傘をさそうという理屈です。)

まずは耳鼻科受診をして鼻の中を見てみましょう。我々耳鼻科医は見た瞬間アレルギー性鼻炎を診断し、そのおおよそのレベルを予測することができます。 その上で必要な検査(アレルギーの程度、原因検索など)を行います。実際鼻の中を見ないと空気が通るスペースがどのくらいあるか(鼻がどのくらいつまるのか)、 鼻水がどのくらい出るのか正確な診断をするのは難しいと思います。 そのうえで治療方針が立てられるので耳鼻科に行くと鼻炎が良くなったといわれるのは我々耳鼻科医のとって当たり前のことなのです。

逆に改善しなければ専門家として意地でも抑えてやろうと闘志が掻き立てられます。 また慢性の咳やぜんそくの原因としてのアレルギー(喉頭アレルギー、気管アレルギー)も耳鼻咽喉科とは縁の切れない疾患のひとつとなります。

治療法について

治療方針としては保存的治療(抗アレルギー剤の内服、点鼻薬の使用、吸入療法)や手術などがあります。 ほとんどの方は保存的加療で症状のコントロールがつきます。

ただ薬の効果が弱かったり、眠くなったりする場合があるなど治療効果が思ったほど上がらないこともありますので、 その際は、はっきり、かつしつこく主治医に相談してみることをお勧めします。 (なぜなら抗アレルギー剤は各製薬 メーカーのドル箱商品でもあるため、種類もかなり多くかつ効きめもよくなっているので、きっとあなたの症状に合うものがあるはずです。)

それでも効果がない場合は、全身麻酔が可能な後方病院(県立中央病院、盛岡赤十字病院など)で鼻中隔弯曲症や下鼻甲介の手術を行うと大体は問題が解決します。 アレルギー性鼻炎は厄介な病気ですが、敵を知り、上手にコントロールをしてやれば問題は十分解決されます。まずは当院にてご相談下さい。

インフルエンザについて

インフルエンザの種類

インフルエンザは現在季節性A型、B型、A型の亜型である新型が知られています。一般的に季節性インフルエンザはA型が11月後半~12月頃より流行がはじまり、B型は年明け~春にかけて流行することが知られています。

診 断

診断はインフルエンザ判定用の迅速キットにて行います。ただし、感染後24時間くらいしないとはっきりした反応が出にくいといわれています。山に例えてみれば八合目以上にしか陽性は出ないわけです。それゆえキットで陰性だからといってインフルエンザではないとは一概にはいえないわけです。
そこで臨床医による症状、所見からみた判定が重要になるわけです。

予防策

新型も季節性も予防は通常どうり手洗い、うがい、マスク装着に徹するしかないと思います。また予防接種も有効な手段です。

治 療

インフルエンザにかかってしまったら、約2日以内ならイナビル、タミフル、リレンザといった抗インフルエンザ薬が有効です。また今はラピアクタという点滴剤もあります。ただし、これらの薬がなくても治らないわけではないので、そのへんは誤解がないようにしなくてはいけません。(昔はこれらの薬は使われていなかったわけですから)
大切なのは、早めの診断、休養、そして解熱鎮痛剤だと思います。解熱鎮痛剤は(カロナールなど)アセトアミノフェン系の薬剤など比較的マイルドで安全性の高い薬剤がよいと思われます。(ボルタレンやロキソニンなど)NSAIDや市販薬は時として危険性を伴うため、使用しないのが賢明です。
インフルエンザは100年以上前からある疾患です。昔の人々はタミフルもリレンザも熱さましもなくこの病気と対してきました。現代に生きる我々も決して文明の利器にのみ頼るのではなく、今こそ原点に戻って病気と向き合う姿勢が重要であると私は考えています。

最後に

一般的な風邪やインフルエンザなどは上気道(いわゆる鼻~のど~気管〉の感染症です。そのエリアを直接診察できるのは我々耳鼻咽喉科医のみです。耳鼻科で風邪を見るの?とかインフルエンザも見れるんですか?という質問をよくされますが、実のところは我々耳鼻咽喉科医の最も得意とする分野のひとつなのです。
直接患部を目で見て薬や処置を決めるわけですから、かなり的確な診断になると思いませんか? いままで風邪症状の際、耳鼻咽喉科を訪れてたことのない方はぜひ一度受診してみて下さい。結構ちがうと思いますよ。